健康意識の高まりを受け、日々の料理に使用する素材の安全性も注目されるようになってきました。
無農薬野菜や有機野菜を積極的に取り入れている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし意外と見落としがちなのが添加物です。
日本は添加物大国と言われるほど、多くの食品に添加物を使用しています。
こちらのページでは、普段何気なく口にしている食べ物の危険性と、危険な添加物をご紹介します。
食品添加物とは?

そもそも食品添加物とはどんなものを言うのでしょうか。
食品添加物は、食品をより長持ちさせたり、見た目を良くしたり、さらには効率よく生産量を増やすため用いられるものです。
日本では多くの食品添加物の使用が認められており、中には海外ですでに使用が禁じられていたり、使用量が制限されているものもあるのです。
一見安全そうに見える味噌や醤油などの調味調にも、食品添加物が使用されている場合があるので、成分表示の確認はしっかりと行いたいものです。
食品添加物の役割

食品添加物について、食品衛生法第4条第2項では以下のように定義されています。
添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。
厚生労働省「食品衛生法」
食品添加物が使用される目的としては、先ほどお話ししたように食品の見た目や長期保存が挙げられます。
そのため、私たちが普段口にしている食品の多くに添加物は使用されているのが実情なのです。
他にも、以下のような役割をするため食品添加物は使用されます。
製造過程でどうしても必要な食品添加物もありますが、危険性が指摘されているものについては積極的に摂取しない選択をしたいですね。
食品添加物の種類 (4種類 )

単に食品添加物と言っても、実は4種類に分けられます。
実は、安全性に問題がないとされている食品添加物も存在するんです。
今、日本の食品に使用されている添加物は以下の4種類に分類されます。
「指定添加物」は、食品添加物の安全性と有効性を確認して厚生労働大臣が指定したものを言います。
2022年11月現在、474品目が指定添加物として使用を認められています。
その他、長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」や「天然香料」、「一般飲食物添加物」に分類されています。
一般に食品として飲食に供されているものを添加する一般飲料物添加物は比較的安全性が高いと言われています。
一方で、りんごや緑茶、乳などの動植物から得られる天然香料や、植物や海藻、細菌など自然界に存在するものから作られた既存添加物には、正体不明のものや毒性があるものが含まれるため注意が必要です。
そして特に注意が必要だと言われているのが、石油製品などを原料に人工的に作られた指定添加物です。
体内でうまく処理できないものもあると言われており、蓄積され続けることで病気を招くリスクや妊娠中の摂取による胎児への影響が懸念されています。
食品添加物のメリット・デメリット

食品添加物は、生産性を向上させ長期保存を可能にするなど、私たちの食生活に欠かせない存在です。
生産性が向上すれば、食品を安価に手に入れられるようになるというメリットにも繋がります。
長期保存が可能になれば、流通面も安定するため、全国どこにいても安定して食品の購入が可能です。
一方で、食品添加物には健康面を危惧する声もあります。
食品添加物が今のように使用されるようになったのは戦後からということもあり、長期摂取によるリスクなど分かっていないことが多いためです。
蓄積され続けることで病気を招くリスクや、妊娠中の摂取による胎児への影響が懸念されるなど、私たちの健康な生活を脅かすという点が、食品添加物の最大のデメリットだといえます。
食品添加物表示の見方
食品添加物を含んだ食品かどうかはどのように見分ければ良いのでしょうか。
ここからは、食品添加物表示の見方についてお話ししていきます。
まず食品にはパッケージに原材料名を記載していますよね。
原材料名の部分には、使用料の多い順に原材料名が記載されています。
特に添加物については原材料名の後に「/」を記載し、それ以降に使用料の多い順に表示されることが多くなっています。
その中で用途名(物質名)と記載された添加物が含まれていることがあります。
毒性が強いなどの理由で、用途名併記が義務付けられている添加物に関しては、用途名(物質名)と記載されます。
このように具体的に表記される食品添加物がある一方で、乳化剤や香料などのように用途名のみを記載する一括表記が認められたものもあります。
この場合、食品添加物表示からでは、どんな添加物を使っているのかを判別することが出来ないのです。
具体的に、用途名表記が義務付けられている添加物、一括表記が認められている添加物は以下の通りです。
なお、最終的に食品内に残存していないまたは残っていても微量という理由で、表示が免除されている添加物も存在しています。
用途名表記が義務付けられている添加物 | 甘味料、着色料、保存料、 増粘剤 酸化防止剤 発色剤、漂白剤、防かび剤 |
一括表記が認められている添加物 | イーストフード、ガムベース、かんすい、酵素、光沢剤、香料、酸味料、調味料、豆腐用凝固剤、苦味料、乳化剤、pH調整剤、膨脹剤、軟化剤 |
表示が免除されている添加物 | 加工助剤、キャリーオー バー、栄養強化剤 |
危険性の高い添加物
食品添加物が使われる目的や、食品添加物表示の見方についてお話ししてきました。
食品添加物表示には一部どんな添加物を使っているのか判別が難しいものもありますが、記載のあるものなら積極的に避けることはできます。
そこでここからは、特に危険性が高いと言われている添加物をご紹介します。
すぐに全く摂取しない生活に切り替えるのは難しいかもしれませんが、まずは知識を持って気にかけることから始めてみましょう。
亜硝酸ナトリウム
用途 | 発色を良くするため |
リスク | 発ガン性/うつ症状/頭痛/記憶障害 |
食品例 | ・食肉加工品(ハム、ウインナー、ベーコン、サラミなど) ・魚肉ソーセージ、イクラ、タラコ(明太子) |
ハムやベーコンなどの食肉加工品は、危険な食べ物としてよく知られた存在です。
それは、食肉加工品に亜硝酸ナトリウムという添加物が使用されているためです。
亜硝酸ナトリウムは、食肉・水産製品の赤色を維持することを目的として使われます。
食肉や水産製品は時間が経つと黒っぽく変色して美味しそうに見えないので、こういった添加物を使います。
しかし、亜硝酸ナトリウムには発がん性や鬱症状などのリスクがあると言われており、できる限り避けたい添加物なのです。
実際国内での使用量も制限されており、過度に使用しなければ大丈夫なようにも思えます。
ただし、食肉や水産製品に含まれるアミンという成分と結合することで、発がん性物質に変化するという指摘もあるので注意が必要です。
サッカリン
用途 | 砂糖の代替品として使用する合成甘味料 |
リスク | 染色体異常/発ガン性/運動麻痺/出血性胃炎 |
食品例 | ・ガム ・清涼飲料 ・乳酸飲料 ・調味料 ・漬物 |
世界で最初の人工甘味料として誕生したサッカリン。
砂糖のように甘いので、カロリーゼロと謳っている製品に使われる食品添加物です。
1960年代にラットを用いた動物実験によって、膀胱がんのリスクが高くなるという研究結果が発表され、世界中の国々で使用が禁止なりました。
しかしその後の研究で、サッカリン自体に膀胱ガンの発がん性はないということが分かったことで、今ではアメリカや中国などで使用されています。
日本では、サッカリンに対するイメージが悪いことや、他の合成甘味料が誕生したことで、それほど多くの食品には使用されていません。
膀胱ガンに関するリスクについては否定されていますが、それでも発がん性や運動麻痺などの可能性があると言われています。
一部のガムや飲料などに使用されていることがあるため、購入前に成分表示を十分確認したいものです。
赤色 3 号
用途 | 食品を着色するため |
リスク | 赤血球減少/甲状腺の機能障害/染色体異常/発ガン性 |
食品例 | ・菓子類 ・かまぼこ ・漬物 |
赤色3号は食品の見栄えを良くするため使用される着色料の一つで、ピンク色に着色できるのが特徴です。
和洋菓子やかまぼこ、漬物などに使用されています。
赤血球減少や甲状腺の機能障害のリスクがあるため、アメリカやドイツなど外国では使用を禁止しているところもあるほど……
しかし日本では使用が認められており、現在も普通に使用されているのが現状なのです。
見た目の美しさはもちろんですが、できればそういった着色料を使用していない自然な色の食品を選びたいものです。
タール色素(合成着色料)
用途 | 食品を着色するため |
リスク | 不妊症/胎児の発育不全/発ガン性 |
食品例 | ・菓子類 ・ジャム ・食肉加工品(ハム、ウインナー、ベーコン、サラミなど) ・魚肉ソーセージ、イクラ、タラコ(明太子) |
先ほどご紹介した赤色3号を含むタール色素(合成着色料)は、妊娠出産に悪影響を与える可能性があると言われています。
タール色素はコールタールから化学合成され作られてきました。
発がん性が指摘されるようになり、現在では石油製品を原材料としたため、危険はなく安全であるとして認可されています。
しかし石油製品は人間の体内で消化しきれないとの指摘もあります。
外国では使用を禁止しているタール色素も、日本では使用が認められているために、様々な食品に使われているのが実情です。
美味しそうに見せるためとはいえ、不自然な色をしている食品はタール色素を含んでいる可能性があるため、購入前の確認をしっかり行いましょう。
ソルビン酸、ソルビン酸 K
用途 | 保存のため |
リスク | 発ガン性/免疫障害/成長不順/腎臓肥大 |
食品例 | ・魚肉の練りもの(かまぼこ、ちくわなど) ・食肉製品(ソーセージ、ハムなど) ・漬物 ・ケチャップ ・乳酸飲料 ・煮豆 ・ジャム ・クリーム類 ・清涼飲料水 |
細菌やカビの増殖を抑えて腐敗を防ぐ保存料として使われるソルビン酸。
普段の食事に使う食材から、調味料、お菓子、飲料まで、スーパーやコンビニのお弁当まで幅広く使用されています。
食中毒を防ぐ目的として使われるものの、発がん性や腎臓肥大、成長不順などの可能性があると言われています。
もはやソルビン酸を含まない食品を探す方が難しいかもしれませんが、小さなお子様のいるご家庭や、妊婦さんはなるべく避けた方が良い添加物です。
合成甘味料(アスパルテーム、アセスルファム K)
用途 | 砂糖の代替品として使用する合成甘味料 |
リスク | 発ガン性/内臓異常/失明・視力低下/精子減少/パーキンソン症発症/うつ症状/肝疾患/肝臓・腎臓への悪影響/記憶力低下/だるさ/頭痛/脳腫瘍/白血病/不眠 |
食品例 | ・ノンカロリー製品 ・ノンアルコール製品 ・ガム ・飴 ・アイスクリーム |
ダイエット中の強い味方であるノンカロリー製品ですが、実は危険な添加物を含んでいることがあります。
砂糖の代わりに使われる合成甘味料のアスパルテームやアセスルファムKは、砂糖の約200倍もの甘みを持っており、少量で甘みが感じられるためノンカロリー製品に多く使われています。
なんと日本でも約600品目に使用されているのだそう……
それほど市場に出回っている商品に含まれるアスパルテームやアセスルファムKですが、ガンや白血病、脳腫瘍といった病気を引き起こすと言われています。
その他にも記憶力低下や不眠、うつ症状など身体の至る所に不調を来す可能性があります。
厚生労働省では許容摂取量を設置しており、それ以上摂らなければ健康への悪影響はないとしていますが、摂取しないで良いならしないに越したことはありません。
特に妊娠中の方は体重管理も重要ですが、なるべく摂取しないよう心がけましょう。
防カビ剤
用途 | 保存のため |
リスク | 発ガン性/胎児の先天性障害/遺伝子損傷性/変異原性/染色体異常 |
食品例 | ・グレープフルーツ ・レモン ・オレンジ ・バナナ |
防カビ剤は、日本で収穫後の使用を認められていない添加物です。
しかし食料自給率の低い日本では、多くの食品を輸入に頼っています。
グレープフルーツやレモン、オレンジなども外国から入ってくることが多い食品です。
長期輸送に耐えられるよう、外国で防カビ剤が施されて日本に入ってきている状況なのです。
防カビ剤は、胎児への影響が懸念される添加物です。
レモンやオレンジは皮を削ってケーキに入れたり、ジャムなどに加工することもあると思います。
しかし輸入品の場合、なるべく皮の部分を食べたりしないことが重要なのです。
また、食品によっては中の実の部分にも防カビ剤が浸透していることもあります。
体に良いイメージのある果物ですが、毎日のように口にするのは避けたいところです。
グルタミン酸ナトリウム(アミノ酸等)
用途 | うまみ成分を出すため |
リスク | アルツハイマー/パーキンソン病/知能障害/うつ症状/めまい/注意欠陥/不眠症/ホルモン異常/味覚障害 |
食品例 | ・だし粉 ・加工食品全般(漬物、インスタントラーメン、かまぼこ、ソーセージ、ポテトチップス、せんべいなど) ・調味料全般 |
料理の際、非常に便利な出汁粉。
手軽に使えるため毎日のように活用しているという方も多いのではないでしょうか。
しかし出汁粉や加工食品に含まれるグルタミン酸ナトリウムには、脳神経を破壊する危険性があると言われています。
また、この味に慣れてしまうと味が分からなくなるということも。
離乳食には鰹や昆布を使って出汁を取るようにと教わるのも、小さな子供へのリスクを減らすためだったんですね。
手間はかかりますが、子どもの健やかな成長を思えば自然の旨みを味わせてあげたいものです。
なお、ベビー用品店で購入できる出汁パックには添加物不使用のものもあるので、そういった製品を活用するのも一つの手です。
安息香酸 Na
用途 | 保存のため |
リスク | 発がん性/白血病 |
食品例 | ・栄養ドリンク ・炭酸飲料 |
栄養ドリンクや炭酸飲料に含まれる安息香酸 Naも、非常に危険な添加物として知られています。
単体でも危険性のあると言われている安息香酸Naですが、ビタミンC合わさることで発がん性物質ベンゼンを作り出してしまうと言われています。
さらにベンゼンが体内で異物となって巡るうちに、造血器官である骨髄に悪影響をもたらして白血病を引き起こすとも……
一見、健康になれるように見える飲料にも含まれている場合があるので、購入前の成分表示確認をおすすめします。
マーガリン、ショートニング
用途 | 食感のため |
リスク | 動脈硬化/心臓病/ぜんそく/アトピー性皮膚炎/アレルギー性鼻炎 |
食品例 | ・菓子類 ・パン |
お菓子やパンなどに使用されるマーガリン、ショートニング。
特にマーガリンはバターの代用品として、多くの家庭で使用されていますよね。
しかし、私たちの生活に身近な存在であるマーガリンやショートニングには、動脈硬化や心臓病が懸念されるトランス脂肪酸が多く含まれるのです。
アメリカなど欧米諸国では使用を制限している国もあります。
日本ではまだ国民1人が1日に摂取する量がそこまで多くないため、規制されていません。
風味や焼き上がりの膨らみが違ってくるというデメリットはありますが、バターやオリーブオイルといった、危険な添加物を含まない製品に切り替えたいですね。
まとめ
以上、食品添加物の危険性と特に気を付けたい食品についてお話ししました。
添加物は様々な食品に使用されており、全てを排除することは難しいかもしれません。
しかし自身や家族の健康を守る意味でも、摂らないで済むならそれに越したことはありません。
買い物の際には一度成分表示を確認して、購入前に一度立ち止まって考えられるようになると良いですね。
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