皆さんはストレスオフという言葉を聞いたことがありますか。
ストレス解消やストレスフリーとは違い、‘‘日常的・持続的にストレス性疲労を「予防」‘‘することだそうです。
ずっとストレス状態から抜け出せずにいると、精神的な疲労がどんどん蓄積していきます。
そうなってしまうと、回復までに相当な時間がかかりますし、著しく生産性も下がります。ストレス沼から抜け出せなくなる前に、できるだけ予防していきたいですよね。
そこで身近なストレスオフ行動から、非日常を体験できるストレスオフ行動まで15選をご紹介していきたいと思います。
ストレスオフ行動で心のコントロール
「ストレスオフ」は、従来のストレス解消法である「ストレス発散」「ストレスフリー」の要素だけでなく、生活習慣や運動習慣などからストレスをマネジメントできる心身を作る、“予防” を中心とした新しい発想です。
一般社団法人ストレスオフ・アライアンスでは「ストレスオフ」を上記のように定義しています。
同法人によると、従来のストレス対処法は以下の二つ。
- 他の趣味などでストレスを一時的に忘れるストレス発散
- ストレス状態から逃げる、避けるストレスフリー
この二つだけでは問題解決にはならず、結局また同じストレスを感じることになりますよね。
筆者はストレスを発散する方法しか知らなかったので、一時的にストレスを忘れることはできても、同じ環境に戻るとすぐ同じ状態に戻っていました。
マッサージに行くとそのときは肩が軽くなるのに、翌日また同じ肩こり状態に戻ってしまう感じに似ています。
根本的には何も解決していないことが原因ですよね。肩こりも姿勢から治さないと、万年肩こりからは解放されないんです。
ストレスの原因を知り、それを取り除いていくことや、ストレスをためない方法を知ることが重要になってきます。
肩こりを感じる前に、正しい姿勢と知識を身につけるということと同じですね。
日常の中で可能なストレスオフ行動【10選】
身近なことでストレスオフしましょう。お金や時間をかけずに行動を少し変えるだけでできるので、これを読んですぐに実践できちゃいます。
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1.日光を浴びる
とても簡単なのに効果は抜群です。「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、日光浴をすることで効率よく分泌されます。日光浴をしながらリズム運動をするとさらに効果的です。
晴れた朝にウォーキングをすると気持ちがいいですよね。特にこれから冬にかけての季節は空気が澄んでいて、朝は最高に気持ちがいいです。
朝早く起きるためには夜早めに寝ることも大切です。この睡眠に関わるのがメラトニンというホルモン。メラトニンは副交感神経を優位にすることで睡眠を促してくれます。
このメラトニンの材料となるのがセロトニンなんです。なので、昼間にしっかりとセロトニンの分泌を促すことが、良い眠りにもつながるということなんですね。
さらに日光浴は皮下脂肪のコレステロールからビタミンDを生成します。ビタミンDは健康な骨を維持する大切な栄養素。食べ物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保ってくれます。
血液中のカルシウム濃度が低下すると情緒不安定になることがあるので、精神状態を安定させるためにもビタミンDの生成は欠かせないということになりますね。
筆者は朝のウォ―キングを日課にしているのですが、太陽の光を浴びながら歩くことで頭も体もスッキリして1日気持ちよく過ごせるようになりましたよ。
2.瞑想をする
1日5分のマインドフルネス瞑想法で、最高のリラックス状態を感じてみてください。
【やり方】
- 背筋をまっすぐにして、体が楽な姿勢で座ります。
- そして肩の力を抜いて、鼻から息を吸います。口からゆっくりと吐きます。そして目を軽く閉じます。
- 呼吸を感じてみます。普段の呼吸でOKです。
- 頭の先から足先までをただ感じてみる。これをボディースキャンといいます。
- そしてまた呼吸に意識を戻します。
- 最後はいろんな雑念がわいてきても、それを許してただ感じます。
- 鼻から息を吸って、口からゆっくり吐き出します。
こちらの動画はわかりやすくてオススメです。先生の声がとても心地が良く、促されるままに瞑想できますよ。10分、15分バージョンもありますので、慣れたらそちらにも挑戦してみてくださいね。
3.創作する
最近では動画を制作する人が増え、YouTubeにアップすることを趣味にしている人も多いと思います。このような創作のほかに、絵画、貼り絵、書道、陶芸、俳句や短歌、エッセイ、物語創作、料理などさまざまな創作があります。
筆者の子どもも作ることが好きで、折り紙や段ボールなどを切ったり折ったりしながら作ることに没頭しています。この没頭するということがストレスオフにとてもいいんです。
時間を忘れて何かに没頭することを、アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイは「フロー」と名付けました。
このフローを体験したあとには、ものすごい充実感で満たされるのです。
皆さんも経験がありませんか。
時間を忘れて没頭することで、「ああー楽しかった!」「もう一度やりたい!」と心が満たされる経験をしたことがありますよね。
この没頭できることというのは個人によってさまざまですが、見つけることができたらかなりストレスに強くなれると思います。
4.入浴する
38~40度のお湯にゆっくりとつかることで、血行を良くして新陳代謝を活発にし、老廃物を排出することができます。
入浴中は副交感神経が働いて緊張がほぐれます。「あああー」とお湯に入った瞬間に、声が漏れ出ることがありますよね(笑)
【オススメ入浴法3つ】
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筆者は入浴剤が大好きなので、その日の気分で選ぶことも楽しいです。香りや薬効がそれぞれ違うものをそろえておくようにしていますよ。
5.お菓子作り
お菓子作りというと女性が好きなイメージがありましたが、今は男性もスイーツ男子なんていう言葉があるようにお菓子好きな人が増えています。
お菓子作りは、普段頭を使って考えることが多い人にピッタリなんです。
なんといっても五感をフルに使えます。手先を使う細かい作業も多いですし、お菓子が焼きあがったときの香りは最高に幸せな気持ちをもたらしてくれます。
お菓子作りは計量がとても大事で、そこが大変ではありますが、逆に言えば計量さえきっちり行えば失敗は少ないのです。
男性は料理のとき、分量をきっちりはかる人が多い気がします。なのでお菓子作りに向いているかもしれませんね。
「お菓子作りはマインドフルネス」という言葉があるほど。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
6.花を飾る
引用:花のチカラ緑のチカラ(農林水産省)
花や緑にはストレスを癒す効果があるんです。
さらに実験の結果、花や緑には「調整効果」があることがわかりました。
血圧が正常になるよう調整されたり、ストレス状態はリラックス状態になったり、活力のない人には活力を与えてくれたりします。
香りによって心と体がリラックスする効果もありますね。筆者も花が大好きです。部屋に飾るだけで明るくなるし、家族も和む気がします。
好きな色や香りを探してみるのも楽しいですよ。夫婦ゲンカの後にはぜひ花を買って渡してみてくださいね。
7.ペットと遊ぶ
「アニマルセラピー」という言葉があるくらい、ペットには癒し効果があるんです。
好きな人とのスキンシップや楽しいおしゃべりで愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されることはよく知られていますが、これはペットとの触れ合いでも同じように分泌されることがわかっています。
麻布大学の菊水健史教授による研究では、犬とその飼い主が互いに見つめあったときに、人の体内で脳の下垂体から「オキシトシン」というホルモンが分泌されることが分かった。
オキシトシンには心を癒やしたり、体の痛みを和げたりする働きもあり、犬と見つめあったときに人間の体内のオキシトシンは3倍以上に増加。これが、犬のセラピー効果の大きな理由だと考えられる。
引用:NスぺPlus「なぜ犬は人の心を癒やすのか?最新科学が解き明かす4つのキーワード」
この実験では、犬のほうにもオキシトシンが分泌されることがわかったそうです。相互に幸せな気持ちになれるってちょっと感動しませんか。
筆者は犬も猫も飼っていたので、この効果については実感しています。
こちらが落ち込んだり、つらい時にそっと寄り添ってくれ、その温かさに癒されたものです。
今は子どもたちがその役割をしてくれています。子どもを抱っこすると、すごく癒されるんですよね。
8.部屋の模様替え
少し前に「断捨離」という言葉がはやりましたよね。断捨離とは「断行・捨行・離行」の略語。
- 断:入ってくる不要なものを断つ
- 捨:いらないものを捨てる
- 離:ものへの執着から離れる
という意味があります。
単に捨てれば終わりというわけではないんですよね。本当に必要なものを見極め、ものを増やさないということが大事です。
模様替えの前には、まず断捨離でいらないものを整理することが第一です。この時点でかなりリフレッシュできているはず。
模様替えでは家具の配置だけでなく、カラーコーディネートも大切な要素です。
インテリアカラーには、ベースカラー(70%)、アソートカラー(25%)、アクセントカラー(5%)というものがあります。ベースカラーは基調色なので、アソートカラーが生えるような色にします。床や壁、天井など一番広い面積をしめるので、ここには落ち着いた色を選びましょう。
アソートカラーは、二番目に大きな面積をしめる部分に使用。ファブリックや家具、カーテンなどを同系色、同素材のもので合わせるとおしゃれに見えます。
最後のアクセントカラーは差し色で、部屋全体を引き締める色のこと。
インテリア小物やクッションなどに使います。
差し色一つでガラッと部屋の雰囲気は変わりますし、小物なので冒険できますよね。
部屋の模様替えをして気分を変えたいときにも、一番変化をつけやすい部分かなと思います。
9.スマホの時間を減らす(1日2時間まで)
ゲームをしたり、SNSをチェックしたり、動画を見たり…と便利なスマートフォン。
筆者はスマホ依存気味でして、子どもから「またスマホ見てるー、こっち見てよ!」と叱られることもしばしば。
昔はテレビや雑誌、本や新聞を見ていたのですが、だんだん全てがスマホ一つでできるようになってしまい、どうしても依存気味に…。
電車やバスでも、スマホを見ている人がほとんどですよね。
ある調査では高ストレス者ほどネットやSNSを長時間見ていた…なんてことがわかっています。
気づいた今こそ、脳を休ませる習慣「デジタルデトックス」を始めましょう。
デジタルデトックスの効果
・気持ちがスッキリする
・目の疲れが取れる
・頭(脳)の疲れが取れる
・睡眠の質が良くなる
・ストレスが減る
・安心感が増す
・想像力(創造力)が高まる
・ひらめきが良くなる
・五感がさえる
・幸せな気持ちになれる
デジタルデトックスにはこんなにも効果があるんですね。筆者もすぐに始めたくなりました。
全く見ないのではなく、電車や待ち時間などで見ていた時間を減らしていくだけでOKだそう。それならすぐに始められそうですよね。
10.スキンシップをする
7つ目の「ペットと過ごす」見出しのなかで、少しオキシトシンに触れました。
オキシトシンが「愛情ホルモン」と呼ばれる所以は「女性の妊娠・出産時に大量に分泌されるホルモン」だからなんです。陣痛促進剤もオキシトシンと知ったときは驚きでした。
出産は痛くて本当につらいものなのですが、このオキシシンのおかげでつらさも何もかも忘れ、ただ生まれてきた赤ちゃんをかわいいと思えるのかもしれませんね。
このオキシトシンがマウスを使った実験で、どうやらストレスを緩和する作用があるということがわかりました。
今では幸せホルモンとまで言われているオキシトシン。どんなときに分泌されるかというと…
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実際に触れ合えたらベストですが、写真を見るだけでも分泌されるのはうれしいですね。
筆者は好きな俳優の写真集を眺めているときに、めちゃくちゃ幸せな気持ちになっていたのですが、オキシトシンがバンバン出ていたのかもしれません。
誰とも触れ合えない、寂しいなーなんてときは万能ツボといわれる「合谷(ごうこく)」を刺激するだけでもオキシトシンは分泌されるそうです!
上の写真のように、親指と人差し指のあいだの付け根にあるくぼみを、気持ちいい強さで押すだけです。
ストレスを感じそうな場面で押すのもいいかもしれませんね。
非日常型ストレスオフ行動 【5選】
すぐにできるわけではないけれど、時間の余裕があるときにオススメのストレスオフ行動です。
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1.温泉に行く
これはもう定番ですよね。温泉は自然の中にあることが多いですから、自然に触れる森林浴も同時にできちゃいます。
泉質によって効果も違うのでこちらを参考にしてみてくださいね。
引用:日本健康開発財団
こちらの表では、ストレスにはぬるめのお湯で長湯することをオススメしています。
37~40℃くらいのぬるめのお湯は、リラックスの自律神経である副交感神経が優位になり、落ち着いた気分になれます。
【温泉(入浴の効果)3つ】
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筆者も温泉巡りが大好きです。特に秘湯と呼ばれる自然の中にある温泉によく行きます。
新しくてきれいなホテルとはまた違う、風情ある温泉が多いですよ。
★オススメ→日本秘湯を守る会
2.キャンプ
キャンプは準備が大変というイメージがありますが、ロッジやコテージのあるキャンプ場なら、テントを設営することなく快適に過ごせちゃいます。
やはりキャンプの醍醐味は自然の中で過ごすこと。空気は澄んでいて気持ちいいですし、屋外で食べるごはんって格別においしいですよね。
最近の流行では「グランピング」というものがありますよね。
グランピングとは、グラマラス+キャンピングの造語です。テント設営やごはん作りなどの面倒なことは一切なし。でもキャンプの楽しさや素晴らしさは十分体感できるというものです。
こんな場所に泊まってみたくないですか?個人でここまでそろえるのは不可能なので、こういった場所に宿泊することもオススメです。
ものすごい非日常を味わえそうです!
3.サイクリング
サイクリングによってうつ病から回復したなんていう人もいるほど、自転車はストレスオフに欠かせない乗り物なんです。
ママチャリなどでも十分楽しめますが、本格的に趣味にしたい人には少しお高めのクロスバイクがオススメです。スポーツ自転車の中では初心者でも乗りやすく、カッコいい自転車です。
サイクリングは言わずと知れた有酸素運動。
同じ有酸素運動であるランニングに比べても、腰や膝などへの負担が少ないうえに同じエネルギー消費でランニングの3倍の距離を走ることが可能です。
ダイエット効果はもちろん、動脈硬化や糖尿病の予防が期待できます。長時間行うことができるので、達成感も感じやすく、爽快な風を感じながら運動できるので、まさにストレスオフですね。
筆者も自転車が好きで、ママチャリでかなりの距離を走っていました。めちゃくちゃ疲れるのですが、ランナーズハイの状態になり、エンドルフィンが分泌されたおかげで、疲れを忘れて気持ち良さしかありませんでした。
さすが脳内麻薬と言われるエンドルフィンの効果ですね。次の日にはしっかりと疲れがやってきて、体が痛くて動けなくなっていましたが(笑)
4.DIY
芸能人が家をDIYで変身させちゃうテレビ番組があるなど、今も人気のあるDIY。
DIYとはdo it yourselfのことで、=日曜大工のことです。
上記の3.創作するのところでもご説明しましたが、没頭する(=フロー)と同じ効果があります。
DIYで完成したものは実際に使うことができますし、欲しかったものを自分の手で作ることで手に入れるという達成感を得られます。
最近では100均DIYが人気で、100円ショップで買ったもので欲しいものを手作りしている人がたくさんいます。
インスタやツイッタ―などでも投稿している人がたくさんいるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
5.ドライブする
家族や夫婦、恋人とのドライブももちろん楽しいのですが、ストレスオフには一人ドライブがオススメ!
車の中はいわば個室状態ですし、一人になれる貴重な時間です。
渋滞の少ない早朝や夜9時以降に行く人が多いようです。
【一人ドライブのメリット】
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特に子育て中は一人になる時間がないほど、毎日忙しいですよね。たまに一人で気分転換する時間があると、また育児をがんばろうという気持ちになれるんです。
まとめ
ストレスオフ行動によって、いつも笑顔で過ごしたいものです。
時にはストレスを感じてしまうことがあっても、うまく回避したり発散していくことは大事なスキルだと思います。
こちらに挙げたいくつかを試してみたら、また新たな解消法が見つかるかもしれません。
「こんなことをしても効果がないかも…」なんて思わずに、思い切っていろいろと楽しんでみてほしいです。筆者も年齢を重ねるとともにストレスとうまく付き合えるようになりました。
ストレスオフ行動で、うまく心をコントロールして快適な毎日を過ごせますように。
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