長い冬の時期を乗り越えて、春はいろいろな植物が芽吹く時季です。
良い気候にもなれば、今しか出会うことのできない野草や果実を探しに出かけるのも良いですよね。
こちらのページでは、春に身近な場所で出会える野草や果実をご紹介します。
野草について少し知識を持って出かけると、普段の散歩道もワクワク楽しい場所になること間違いなし!
冬に自宅でゴロゴロしていたという方も、運動不足解消に散歩に出てみましょう。
【春編1】身近にある食べられる野草&果実! オススメ一覧
では、早速春に身近な場所で見つけられる野草や果実を紹介していきましょう!
ミツバ


採取できる時期 | 3〜5月頃 |
生息場所 | 山野 |
特徴 | ・市販のミツバ よりも葉が大きい ・市販のミツバより茎が太い |
セリ科ミツバ属の多年草であるミツバは、日本原産の野草です。
その名の通り、先端に3つの葉をつけ、料理に彩りを与えるトッピングとして重宝されます。
ごぼうの先のような根が付いた根三つ葉や、スーパーなどで売られている糸三つ葉など、様々な種類があります。
野生に生えているミツバは市販のものよりも葉が大きく、茎が太いのが特徴です。
葉っぱが濃い緑色のものを選ぶと新鮮で美味しく食べられます。
ミツバは日本のハーブと呼ばれるほど香高い野草です。
茶碗蒸しやお吸い物など、ぜひいろいろなお料理に合わせてみてはいかがでしょうか。
こごみ

採取できる時期 | 3〜6月頃 |
生息場所 | 湿気の高い林の中で日の当たる場所など |
特徴 | ・先端部分がくるくると渦巻いている |
くるくるとうず巻いた見た目が特徴のこごみは、山菜の一種です。
比較的アクが強くないため、アク抜きせずに食べることも可能です。
サッと茹でておひたしにしたり、天ぷらにしたり、さらに炒め物として使うこともできます◎
なお、先端のくるくると渦巻いたところには汚れが溜まっていることがあるので、しっかり洗っておくことをおすすめします。
手軽に食べられる上に、栄養価が高いこごみ。
腸内を整え、便秘改善効果が期待できます。
ふき

採取できる時期 | 3〜5月 |
生息場所 | 田んぼの土手や畦道、林道の脇など湿度の高い場所 |
特徴 | ・緑色の大きな葉をつける ・葉柄に空洞がある |
独特の香りと苦み、さらに水分を多く含んだ柔らかい食感が特徴のふき。
カリウムを豊富に含んでいるので、むくみ予防や高血圧の症状改善効果が期待できます。
同じキク科のツワブキに似た見た目をしています。
ツワブキの葉に光沢があるのに対し、ふきは光沢がなく葉柄に空洞があるのが特徴です。
葉が緑色だと新鮮ですので、なるべく綺麗な緑色をしたものを選びましょう。
ふきは、収穫してから時間の経過とともにアクが強くなってくるので、早い段階でアク抜きを行っておくことをおすすめします。
茹でてアク抜きすれば、煮物や炒め物にアレンジして美味しく食べられます。
↓なお、こちらがツワブキの葉です。ツワブキも食べられます。


こしあぶら


採取できる時期 | 4〜6月頃 |
生息場所 | 明るく開けた雑木林、里山など |
特徴 | ・秋には黄色い葉をつける ・光沢のある黄緑色の葉をつける ・葉の数は5枚 |
山菜の女王と呼ばれるこしあぶらは、全国の山地で見つけられます。
独特の風味を持っており、山菜の中でも特に人気の高いのですが、木につく新芽ですので収穫が大変です。
大きなものだと5mを超えてくる上に、枝が細く登って採るのは難しいので、安全が確保できない場合には収穫を諦めましょう。
こしあぶらの木はブナ林などに生息しており、ウルシの木などと間違えてしまうことも……
しかし、こしあぶらは葉っぱから強い香りを放つので、それらしい木を見つけたら、葉の匂いを嗅いでみるのも一つの方法です。
他の山菜や野草と同様に、天ぷらにして食べることの多いこしあぶら。
混ぜご飯やパスタのトッピングなどにアレンジしても美味しく食べられます。
行者にんにく
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採取できる時期 | 4〜5月頃 |
生息場所 | 近畿以北から北海道の山地 |
特徴 | ・ニンニクのような強い香りがある |
行者にんにくはアク抜きが不要で、調理しやすい野草です。
しかし、種を植えてから収穫するまでに5年以上の歳月のかかる山菜で、天然物を見つけるのは難しくなっているとも言われています。
もし出会えた時には、根こそぎ収穫してしまわないようにしたいですね。
ニンニクのような強い香りを持ち、茹でたり炒めたり色々な料理にアレンジが可能です。
血栓の予防効果が期待できます。
なお、行者にんにくはイヌサフランと間違えやすいため注意が必要です。
イヌサフランの誤食により、死者も出ている状況です。
見分け方のポイントとしては、ニンニクの香りの有無や、1つの芽からでる葉の数をチェックすると良いでしょう。
行者にんにくであれば、独特のニンニクの匂いが感じられ、1つの芽から出る葉の数は少ないです。
↓こちらがイヌサフランです。紫色の花を咲かせます。

ぜんまい


採取できる時期 | 4〜5月頃 |
生息場所 | 里山や山道の脇や、水気の多いところなど |
特徴 | ・先端がグルグルと渦巻いている ・幼葉がワタ状の繊維で覆われている |
古くから親しまれてきた山菜の一つであるぜんまいは、グルグルと渦巻いた先端が特徴です。
先ほどご紹介したこごみやワラビに似た見た目をしています。
ただしぜんまいは、グルグルと渦巻いた幼葉に、ワタ状の繊維がついています。
この繊維は次第に落ちて青い葉を広げます。
食用にするのはワタ状の繊維がついた状態の時ですが、アクが強いのでアク抜きをしっかり行いましょう。
貧血予防や生活習慣病の予防などに効果があると言われる山菜です。
佃煮、お浸し、胡麻和え、煮物などにして楽しめます。
うるい

採取できる時期 | 4〜5月頃 |
生息場所 | 山地や草原などの湿気のある場所 |
特徴 | ・茎の色が白っぽい ・長い柄の先に葉をつける ・中央に太い葉脈がある |
うるいも、古くから食用として親しまれてきた山菜です。
ネギのようなシャキシャキした食感が特徴です。
新鮮なものであれば、生でも食べられますので、味噌などお好みの調味料をつけてみてはいかがでしょうか。
アクもなくさっぱりとした味わいなので、和食だけでなく洋食へのアレンジもおすすめです◎
ビタミンCを豊富に含んでいるので、風邪や貧血の予防効果が期待できます。
なお、うるいとよく似た見た目で、毒性の高いバイケイソウという野草もあるため、採取する際には十分に気を付けましょう。
見分け方のポイントとしては、うるいには葉の下に長い柄があり、葉の中央に太い葉脈があるということです。
太い葉脈から左右に細い葉脈が広がっています。
↓なおこちらがバイケイソウです。本当に見た目がそっくりです。

オランダガラシ ( クレソン )

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採取できる時期 | 3〜5月頃 |
生息場所 | 河川敷や小川など |
特徴 | ・葉は楕円形で羽状に並ぶ ・葉の面面には光沢があり、少し波打っている |
大根にも似た辛味と、すっきりした風味が特徴のオランダガラシ(クレソン)。
炒め物のアクセントにしたり、肉料理の付け合わせとする食べ方がよく合います。
もとはヨーロッパが原産の水生植物でしたが、明治時代に日本へ入ってきました。
非常に繁殖力が強く、今や日本各地で採取することのできる野草です。
半水生なので、水質の良い河川敷や小川付近に群生しています。
フキノトウ

採取できる時期 | 2〜5月頃 |
生息場所 | 直射日光のあまり当たらない畦道や林道の木陰、山間の斜面など |
特徴 | ・根本にあたる苞の部分に白い綿毛が生えている ・外側の部分は少し赤みを帯びている ・内側は明るい緑色 |
フキノトウは、先ほどご紹介したフキの花茎にあたる部位で、雪解けとともに顔を出します。
フキノトウ が出てきたら、春の訪れを感じますね。
出てきてすぐはつぼみが閉じた状態で、次第に開いて中の花のような部分が出てきます。
食用とするなら、つぼみが開きかけた状態のものを選び、そのまま手でひねり取ります。
土の中に埋まった茎の部分には毒があるので、上の部分だけを上手に採取してくださいね。
沸騰したお湯に入れてアク抜きをしたら、天ぷらなどにすると良いでしょう。

なお、フキノトウ によく似た野草として、ハシリドコロというものがあります。
ハシリドコロには毒があり、嘔吐や痙攣などの中毒症状を発症する可能性があるため注意が必要です。
フキノトウの根本にあたる苞の部分には、白い綿毛が生えているので、見分ける一つのポイントとなります。
またハシリドコロは青々としており、フキノトウのような柔らかい緑色の部分や赤みを帯びた部分はありません。
ヨメナ

採取できる時期 | 3〜6月 |
生息場所 | あまり直射日光の当たらない湿度のある場所 |
特徴 | ・葉は厚くやや光沢がある ・高さは40~120cmほどと様々 |
ヨメナは春菊に似た独特の香りが特徴の野草です。
キク科に属するので、白や薄紫っぽい色の綺麗な花をつけます。
他のキク科の野草との見分け方として、葉を見るのがわかりやすいです。
食べるのは若葉の部分なので、葉が柔らかくツルツルしています。
よく似た野草として挙げられるノコンギクは、葉がザラザラしていますので、ぜひ触ってチェックしてみてください♪
またヨメナは水はけがよく、半日陰で西日の当たらない場所に生息しています。
ノコンギクであれば山地でも見かけますが、ヨメナは山地にはほぼ育たないので湿度のある耕地周辺を探してみましょう。
下処理をしたらおひたしや天ぷら、混ぜご飯などにして楽しんでくださいね。
オカヒジキ

採取できる時期 | 4〜5月 |
生息場所 | 海岸や砂浜など塩分の多い乾燥した場所 日当たりや風通しの良い場所 |
特徴 | ・ひじきに見た目が似ている ・艶のある緑色 |
ミネラルやビタミン類を豊富に含むオカヒジキ。
シャキシャキとした独特の食感が面白く、和物にして食べるのがおすすめです。
艶のある緑色で大きく育っていないものが、柔らかくて美味しいと言われています。
しかし残念ながら環境の変化とともに天然もののオカヒジキの量は減っていて、自治体によっては絶滅危惧種に指定していることも……
もし出会えたら全部採ってしまうことのないようにしたいですね。
ノビル
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採取できる時期 | 3〜5月 |
生息場所 | 野原、河原の土手など |
特徴 | ・ネギやニラに似た見た目をしている |
野原や河原の土手などで出会えるノビルは、ネギやニラに似た見た目を持つ野草です。
根っこの部分は、ニンニクやラッキョウに似た球根のような形になっているため、採取する際にはスコップがあると便利です。
ちなみにこの球根のような部分は、ツーンとした匂いがするものの、こちらも食べられます。
ただしニラと見た目のよく似たスイセンを食べて、食中毒を起こしたというニュースも度々みられます。
採取の際には十分に注意したい野草の一つです。
危険な野草に注意
春には若葉や新芽を摘んで食べられる野草や果実がたくさんあります。
しかし、見た目がとてもそっくりにも関わらず毒性を持つ野草もあるため、食べる前に確認を行いましょう。
スイセンをニラと間違えて食中毒を起こすニュースは度々目にしますよね。
2022年4月にも新潟市内でニラの中にスイセンが混在しており、嘔吐、下痢、めまい等の症状で緊急搬送されたとニュースになりました。
厚生労働省のまとめによれば、平成15年〜24年の期間で誤ってスイセンを食べてしまった患者数は124人にも登ります。
幸いスイセンを摂取したことによる死者は出ていませんが、ものによっては最悪の場合死に至るケースもあるため注意が必要です。
なお、特に間違えやすい野草についてはこちらを参考にしてみてくださいね。
まとめ
以上、春に身近な場所で採れる野草&果実をご紹介しました。
春の野草は、優しい緑色が特徴です。
食卓の雰囲気を一気に明るくしてくれるので、おひたしや天ぷらにして食べるのがおすすめです。
野草探しで十分に体を動かした後に食べる特別感も味わえますよね。
冬の間、家でゆっくり過ごしていたという方も、少しお出かけしてみてはいかがでしょうか。
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