国内最大級アート展「瀬戸内国際芸術祭」人気・定番作品特集!!

旅行・レジャー

美しくて穏やかな瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台に、さまざまな現代アートの作品を鑑賞できる「瀬戸内国際芸術祭」。

テーマは「海の復権」です。

さまざまなアートと瀬戸内海や島の魅力を通して、地域の活力を取り戻し、再生を目指すという意味があります。

世界的にも注目される通称「瀬戸芸」は、なんと3年に1回の開催です。

2010年にスタートし、今年2022年で5度目の開催となりました。

筆者の独断と偏見によるおすすめの作品や、利用しやすい宿泊施設など瀬戸芸の魅力をご紹介していきます!

瀬戸内国際芸術祭 2022年の会期と開催場所は?

2022年の会期は春夏秋の3回が予定されています。

  • 春期:2022年4月14日(木)〜5月18日(水) 35日間
  • 夏期:2022年8月5日(金)〜9月4日(日) 31日間
  • 秋期:2022年9月29日(木)〜11月6日(日) 39日間

開催場所は、以下に記載した12の島と高松・宇野の2つの港です。

季節によって開催地も変更するので、要チェックですよ。

常時:直島 / 豊島 / 女木島 / 男木島 / 小豆島 / 大島 / 犬島 / 高松港周辺 / 宇野港周辺 / 広域・回遊

春のみ:沙弥島

秋のみ:本島 / 高見島 / 粟島 / 伊吹島 

瀬戸内国際芸術祭を楽しむコツ

瀬戸内国際芸術祭を楽しむコツは何と言っても下調べをすることです。

どんなことでも言えますが、何も知らずにフラッと見るのと、ある程度目標をもって見るのとでは終わった後の達成や充実感が全く違います。

そこで参考にしていただきたいのが、公式ガイドブックです。

2019年の開催時には、こちらのガイドブックを購入後、ガイドブックを案内所等で提示すると、無料で秋会期版の冊子がもらえる仕組みになっていました。

秋期のみ開催する島もありましたし、春や夏から引き続き秋まで見たいという方には朗報ですよね。

2019年の瀬戸内国際芸術祭では、期間中約200のアート作品(継続作品を含む)と約30のイベントが公開されました。

2022年も、各島で展示とイベントが開催されます。

その圧倒的な数の多さから、全てを一度に見ることは不可能に近いですよね。

4日間ほどのプランであれば、全ての島をまわることは可能ですが、もし1泊~2泊しか時間がないのであれば、鑑賞したいものを絞り込むことが重要です。

今回はガイドブックではなくアプリで、作品情報や現在地からのアクセス方法を知ることができるようになっています。

公式アプリは無料配信中ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

また、瀬戸内の島々は、一つ一つが広く、作品が各所に点在しているので、1日で全て見て回るのは物理的な難しさがあります。

瀬戸内ののんびりした雰囲気や、大自然を感じながら楽しむためにも、なるべくなら急ぎ足ではまわりたくないですよね。

それぞれの島で代表的な作品をご紹介していきますので、島選びの参考にしていただければと思います。

瀬戸内国際芸術祭でこれは見ておきたい!~島ごとの代表的な作品~

沙弥島(しゃみじま)※春のみ

沙弥島は島と名前にありますが、実は地続きなので、開催期間中であれば坂出駅→沙弥島へのシャトルバスで行くことが可能です。

こちらは歩いてまわることが可能です。

「階層・地層・層」ターニャ・プレミンガー 撮影:高橋公人/なだらかな斜面は登ることもでき、展望スポットとしても楽しめる。
「八人九脚」藤本修三 撮影:高橋公人/カラフルな彫刻作品であるこのベンチは実際に椅子として利用可能

宇野港(うのこう)

岡山県に位置し、本州と直島、豊島、小豆島、高松を行き来するフェリーの発着所。

瀬戸芸に行く拠点としてもピッタリな場所です。

ここからすでに瀬戸芸は始まっているんだ!と思わせてくれるアートをたくさん見ることができます。

「宇野のチヌ/宇野コチヌ」 淀川テクニック Photo:Kimito Takahashi
「舟底の記憶」 小沢敦志 Photo:Yasushi Ichikawa
「終点の先へ」 小沢敦志 Photo:Yasushi Ichikawa

豊島(てしま)

豊島は縄文時代の遺跡が多く残る、自然豊かな島です。

口コミは2019年開催時のものですが、例年豊島は非常に人気の高い場所になります。

なかでも豊島美術館はかなりの人気で、オンライン予約が必須ですよ。

「豊島美術館」内藤礼 西沢立衛 写真:鈴木研一/中では一日を通して「泉」が誕生する作品《母型》が展開される。
「豊島横尾館」横尾忠則 永山祐子 撮影:山本糾

直島(なおしま)

「現代アートの聖地」と呼ばれ、一躍有名になりました。

筆者も瀬戸内国際芸術祭の名前より先に、直島の名前を知ったほどです。

世界的に有名な建築家である安藤忠雄さんの手がけたベネッセハウス ミュージアムや、地中美術館。

世界中で絶大な人気のあるアーティスト草間弥生さんの赤かぼちゃなどを一目見たいと訪れる人も多い島です。

「赤かぼちゃ」草間彌生 2006年 直島・宮浦港緑地 撮影:青地大輔
「地中美術館」安藤忠雄 Photo:Mitsumasa Fujitsuka
「直島パヴィリオン」藤本壮介 Photo:Jin Fukuda
The Naoshima Plan 「水」 三分一博志

建物下部に流れる”地下水脈”から、水面にうつる太陽や直島に流れる風などが感じられる作品。

それら『動く素材』から、あなたはどんな価値を感じ取りますか?

The Naoshima Plan 「住」 三分一博志

2022年の瀬戸内国際芸術祭開催にあたって、三分一博志さんの「ライブ」という作品が登場。

直島町の地理、風土、暮らしなどを最大限に取り入れた長屋が作られています。

春には内部構造が見える状態、秋には完成状態での展示となります。

訪れる度に表情が違う作品が見られるので、何度でも遊びに行きたくなるような場所になることでしょう。

犬島(いぬじま)

岡山駅の宝伝港から犬島まではフェリーで15分ほど。

犬島精錬所の高い煙突がそびえたつ島です。

ベネッセアートサイト直島直島、豊島、犬島を舞台としており、こちらでもベネッセが手がけたアートの数々を見ることができます。

「犬島精錬所美術館」柳幸典 三分一博志 撮影:阿野太一
「A邸/イエローフラワードリーム」ベアトリス・ミリャーゼス 撮影:Takashi Homma
「犬島 くらしの植物園」妹島和世 撮影:井上 嘉和

女木島(めぎじま)

桃太郎伝説が残る鬼ヶ島大洞窟や、「島の中の小さなお店プロジェクト」が有名。

アーティストが手がけた島の中の小さなお店は、実際に営業しています

お店は、カフェやヘアサロン、コインランドリーなど多彩です。

「カモメの駐車場」木村崇人 Photo:Osamu Nakamura /カモメが風によって風向きを変える人気作品
「島の中の小さなお店」プロジェクト(Café de la Plage/カフェ・ドゥ・ラ・プラージュ) ヴェロニク・ジュマール/紫外線・熱で色が変化する塗料により、テーブル上の熱いカップや本をどけるとそこだけ色が変わる
「島の中の小さなお店」プロジェクト 「ランドリー」 レアンドロ・エルリッヒ Photo:Keizo Kioku

なんと、こちらのランドリーの中身は動画なのです!

さらに、向かい側には本物のランドリーがあるんですよ。

遊び心があふれていますよね!

最高の景色を見ながらのカットを体験!「島の中の小さなお店」プロジェクト 「ヘアサロン壽」 宮永愛子 Photo: Keizo Kioku
≪女木島名店街≫ 結ぶ家 大川友希

作家や関連するアーティストが古着を使ったワークショップを行うスタジオ。

地元の人たちや来場者に持ち寄ってもらった古着の断片を繋ぎあわせて、空き家の外壁を次第に覆っていくプロジェクトです。

自分たちがアートに参加できるなんて、とても魅力的ですよね♪

男木島(おぎじま)

平地の方がむしろ少ないのではないか?という坂道や階段の多い島です。

港から坂の上まで、物を運ぶのも一苦労ですよね。

そのため、この島では荷物を運ぶために「オンバ」というものが昔から使われています。

このオンバがアート作品の一つになっているので、ぜひ見てほしいです。

2010年よりスタートした瀬戸内国際芸術祭。

なんとその効果(!?)で、男木島に移住する人が増えたために、閉鎖されていた学校が復活するという奇跡が起こっているそうです。

それだけ魅力的な島なんでしょうね。

「男木島 路地壁画プロジェクト wallalley」眞壁陸二 Photo:Osamu Nakamura
「タコツボル」 TEAM 男気 Photo:Keizo Kioku /移住してきた子どもたちのための遊び場として提供された
「歩く方舟」山口啓介 Photo:Kimito Takahashi

歩く方舟、かわいいですよね。

写真映えすること間違いなし♪

ぜひいろいろなアングルで撮影してみてくださいね。

大島(おおしま)

1909年ハンセン病の療養所が設立され、1946年に「国立療養所大島青松園」と改称されました。

島全体が療養所になっているため、入所している方への配慮は忘れずに訪れたい島です。

ところどころに綺麗な花が咲き、とても自然豊かな静かな島なので、ぜひ行ってみていただきたい島でもあります。

アクセス方法は、高松港第一浮桟橋にある大島行きの乗り場に直接並びます。

なんとこちらは先着順で料金も無料です。

以前は関係者のみが利用する官有船だった高速船に、2019年4月26日から一般客も利用できるようになったことで、大島に行きやすくなりました。

{つながりの家}GALLERY15「海のこだま」 やさしい美術プロジェクト Photo: Keizo Kioku
{つながりの家}「カフェ・シヨル」やさしい美術プロジェクト Photo:Shintaro Miyawaki

2016年にリニューアルしたカフェ・シヨルでは、大島産の新鮮な梅やかんきつ類を使ったドリンクや菓子類を提供しています。
入所者の方と大島を訪れる人との交流の場になっています。

「稀有の触手」やさしい美術プロジェクト Photo:Shintaro Miyawaki (画像はイメージです)

小豆島

瀬戸内海では淡路島に次いで2番目に大きな島ということもあり、6つの港があります。

見どころが多く広いので、レンタカーやバスの1日乗車券があると、効率よく鑑賞できると思います。

約110年前に日本で初めてオリーブの栽培に成功したことにより、「オリーブの島」としても有名ですよね。

「オリーブのリーゼント」清水久和 撮影:Kimito Takahashi
「太陽の贈り物」チェ・ジョンファ(崔正化) 撮影:Yasushi Ichikawa /オリーブで名高い島の玄関口に、オリーブの葉を王冠のかたちに仕立てた彫刻を設置。
はじまりの刻 三宅之功

夕刻に訪れることができたら、ぜひ鑑賞したいのがこちらの作品。

”夕陽を浴びて島とともに生きる命の象徴”として作られたアートは、きっとずっとあなたの心の中に残り続けることでしょう。

高松港

高松港はJR高松駅のそばに位置し、入稿船舶隻数が全国でも上位の屈指の旅客港です。

瀬戸内国際芸術祭を巡る上で拠点となる港です。

JR高松駅、ことでん高松築港駅からも徒歩圏内というアクセスの良さも魅力です。

いくつもの島を巡る予定の方は、高松港近辺で宿泊するもよし、作品を鑑賞してから名物讃岐うどんでお腹を満たすもよし、いろいろな楽しみ方ができますよ。

Liminal Air -core- 大巻伸嗣

港にそびえ立つ2本の柱が強烈なインパクトを残す作品。

カラフルな柱は一部が鏡面になっていて、刻々と変化する港の風景を映し出します。

「Watch Tower」ジョン・クルメリング Photo:Yasushi Ichikawa
「「銀行家、看護師、探偵、弁護士」」ジュリアン・オピー 撮影:Akira Takahashi

本島(ほんじま) ※秋のみ

かつて、塩飽水軍の根拠地であった本島には、当時の面影を残す古い町並みや景観が残されています。

海と共に刻まれてきた歴史を感じとり、船をモチーフにした今にも動き出しそうな作品は、必見です。

「Vertrek「出航」」石井章 撮影:高橋公人
「水の下の空」アレクサンドル・ポノマリョフ 撮影:Shintaro Miyawaki

高見島(たかみじま)※秋のみ

かつては除虫菊の生産で栄えた高見島。

急な坂道が多い島ですので、動きやすい格好で向かわれることをおすすめします。

「時のふる家」中島伽耶子 撮影:Yasushi Ichikawa
「まなうらの景色」村田のぞみ 高見島プロジェクト Photo:Keizo Kioku
「海のテラス」野村正人 撮影:Keizo Kioku/高見島の東斜面の高台に位置し、瀬戸内海を一望できるテラスではイタリア料理が振る舞われる。

粟島(あわじま)※秋のみ

香川県三豊市にある粟島。

ここでは、アーティスト・日比野克彦さんが2010年から「粟島芸術家村」(日々の笑学校)を実施し、若手芸術家を支援してきました。

2019年の開催時には、日比野さんの新作も公開されましたが、果たして今年はどんな作品が見られるのでしょう。

「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト」日比野克彦 撮影:Kimito Takahashi
「過ぎ去った子供達の歌」ムニール・ファトゥミ 撮影:Yasushi Ichikawa
「い・ま・こ・こ」 アデル・アブデスメッド

オレンジやコカコーラの缶、マイク、頭蓋骨などを題材に20年来取り組んでいる「足で潰す」シリーズの最新作。

現代の切迫感のある時代を表現した作品を前に、一体どんな感情がこみ上げてくるのか……

伊吹島(いぶきじま)※秋のみ

瀬戸内国際芸術祭を開催している島の中で、最も西側にあるのが伊吹島です。

観音寺市の観音寺港からフェリーに乗れば、良質な煮干し「伊吹いりこ」の生産が盛んなことで知られる伊吹島に到着です。

こちらも他の島と同様に、急な坂が多いため歩きやすい靴で向かわれることをおすすめします。

「伊吹の樹」栗林隆 Photo:Keizo Kioku

外観は木なのに、中側は鏡のようになっています。

とてもアーティスティックな作品ですね。

「パサング‐ふたつのものすべての中に」メラ・ヤルスマ ニンディティヨ・アルディプルノモ Photo:Keizo Kioku

瀬戸芸に行くなら、ここに泊まりたい!「ベネッセハウス」

これだけの作品数ですから、できれば3泊4日くらいかけてゆっくりと楽しみたいですよね。

滞在中、アートを存分に感じられるホテルをご紹介します。

ベネッセハウス

建築家の安藤忠雄さんが全体設計を手がけたベネッセアートサイト直島

その中の「ベネッセハウスミュージアム」と一体型になったホテルがベネッセハウスです。

1995年に別館・宿泊専用棟「オーバル」2006年に海辺の宿泊専用棟として「パーク」「ビーチ」が開館しました。

宿泊者だけが参加できるギャラリーツアーなどもあり、大変人気のある宿泊施設です。

みんなが一度は泊まりたいと憧れるホテルだけあって、全てが素敵ですね…。

部屋や廊下などいたるところにアート作品が飾られていたり、お部屋から眺める瀬戸内海が美しくて、見るもの感じるものすべてがアートなんですよね。

住所〒761-3110 香川県香川郡直島町琴弾地
TEL087-892-3223
公式サイトhttp://benesse-artsite.jp/
地図

まとめ

瀬戸内海に浮かぶ島々、その自然を感じられるだけでも十分に癒されますよね。

その美しい自然とアートが融合したすばらしさを体感できるのは、瀬戸内国際芸術祭だけではないでしょうか。

3年に1度の開催とはなりますが、開催年以外ならそれほどの混雑もなくゆったりと楽しめると思います。

※そのまま残され、鑑賞できる作品は限られてしまいます。詳しくはこちら

瀬戸内国際芸術祭の開催前~中にはお得な作品鑑賞パスポートも販売されます。

事前にネットで購入できますので、要チェックですよ。

入念に下調べをして、充実したアートと自然を楽しむ旅へ出かけましょう!

コメント

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