ハイパーインフレを解り易く解説。その時に備えるべき出来る対策とは。

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ハイパーインフレという言葉を耳にしたことはありますか?

インフレとは簡単にいえば、物価が上がるのに給料が上がらない状況ですが、ハイパーインフレはインフレが短期間かつ急激に発生した状態を意味します。

もし、ハイパーインフレが起これば私たちの生活は今以上に苦しくなるに違いありません。

そこでいつ来るか分からないハイパーインフレに備えて、私たちができる対策と備蓄についてご紹介します。

ハイパーインフレとは ?

冒頭でもお話ししましたが、ハイパーインフレは短期間で急激に物価があがることを意味します。

その原因として、戦争や大災害によって貨幣に対する価値が失われていくことが考えられます。

つまり、日本でも大地震などが発生し大きな損害が出てしまった場合、円に対する信用が失われ、世界中の投資家が別の外国通貨に乗り換えるようなことがあれば、ハイパーインフレは起こりうるのです。

もしハイパーインフレが起これば私たちの生活はどのように変化するのでしょう?

日本円の信用が下落することで、円安の状態となれば輸入品の価格が高騰します。

輸入品の価格が高騰すれば、それを材料に作られる国内製品の物価も自然と高騰しますよね。

そうして国内ほとんどの商品の値段が上がってしまうのです。

特に日本の食料自給率はカロリーベースで37%と非常に低いため、ハイパーインフレは私たちの食卓にも大きな影響を及ぼします。

※農林水産省 「令和2年度日本の食料自給率」

経済産業省 資源エネルギー庁「2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)」

さらに日本のエネルギー自給率はもっと深刻です。

2018年の日本の自給率はなんと11.8%で、ほかのOECD諸国と比べると圧倒的に低水準です。

※経済産業省 資源エネルギー庁「2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)」

もしハイパーインフレにより、国内で自給できていないエネルギー源の石油・石炭・液化天然ガス(LNG)などの輸入価格が上がれば、必然的に電気代やガス料金も上がってしまいます。

こうして食事以外の面でも、私たちの生活は圧迫されていくのです。

過去、日本や他国で起きた事例

これまでの歴史を振り返ってみると、日本でも太平洋戦争後にハイパーインフレに近い状態となりました。

なんと戦後、困窮する暮らしの中、物価は100倍以上に高騰していました。

ものを満足に手に入れることができず、日々を生き抜くためにもやっとな状況が何年も続いたのです。

戦争から生き残っても、飢えによって奪われた命がたくさんありました。

世界に目を向けてみると、豊かな産油国として知られていたベネズエラが、2013年ごろから国家破綻状態となっているのは記憶に新しいのではないでしょうか。

2021年10月4日付けの日本経済新聞によれば、その原因は”故チャベス、マドゥロと続く統一社会党(PSUV)政権の失政や石油価格下落、米欧の制裁による石油輸出減少が重なった”ことだとされています。

数々の要因が重なり、ベネズエラのインフレは急速に進行し、2020年のインフレ率は年約6500%に達したのです。

政府はこの状況からの脱却を狙って、通過の単位を10万分の1に切り下げる政策などを実施しましたが、いずれもハイパーインフレ収束には至っていません。

ベネズエラの場合、通貨の単位を切り下げる政策を行っていますが、第一次世界大戦後のドイツでは貨幣を大量に発行によりハイパーインフレに陥ったことがありました。

それによりドイツの物価は、1922年のわずか1年間で7488.5%にまであがり、通貨の価値が大暴落することとなったのです。

なんと一時、1ドル1兆マルクという信じられないような状態にまでなってしまったのだとか……

2022年2月現在、1ドルはおよそ1.73マルクですのでどれほど恐ろしい状態だったのか、一目瞭然ですね。


参考

※日本経済新聞 2021/10/4「ベネズエラ、国民の4分の3が「極貧層」

※読売新聞オンライン 2021/03/09「昨年インフレ率は年6500%、南米で新たな高額紙幣3種の流通開始

ハイパーインフレが起こり得る要因

実際にハイパーインフレが起こった理由として、先ほども少し触れましたが、天災や人災が大きく関係しています。

戦後の日本の場合、戦争によって全てが失われたことで供給能力が著しく不足したことがインフレに繋がりました。

他にも大企業が解体されたことや、植民地にしていた海外からの輸入が途絶えてしまったことなども要因となったと言われています。

また、ベネズエラのように政治の失敗や、かつて豊さを手に入れていたはずの石油価格の下落も要因となることもあります。

つまり、ハイパーインフレが起こりうる要因として、

  1. 戦争
  2. オイルショック
  3. 大地震などの災害
  4. ロックダウン
  5. 通貨の過剰供給
  6. 失政

が挙げられます。

中でも大地震などの災害は、日本でもいつ起こってもおかしくない状況ですよね。

大地震により都市部を中心に再建が壊滅的な状況となれば、先行きの不透明さから日本円の信用が下がるかもしれません。

円安の状況が急激に進めばハイパーインフレとなる可能性だってありうるのです。

また、海外でロックダウンが起こった場合、日本に食材が入ってこなくなることで、国内の物価が上がることも考えられます。

ハイパーインフレなんて日本にいる限り起こり得ないとは、残念ながら言えないのが正直なところです。

ハイパーインフレに備える為の事前対策や備蓄品

それでは、いつやってくるか分からないハイパーインフレに備えて、私たちにできることはあるのでしょうか?

まず、第一に食料確保は必要です。

先ほどもお話ししたように、日本の食料自給率は37%と非常に低いことはよく知られたことです。

ハイパーインフレになって輸入品の金額が上がると、私たちの食事も大きな影響を受けます。

例えば小麦は令和2年度カロリーベースで15%と、大半を輸入に頼り切っている状況です。

※農林水産省「令和2年度食料自給率について」より

もし小麦粉が貴重品となれば、うどんやパスタなどの麺類をはじめ、パンやお菓子だって一気に値上がってしまいます。

また、日本のエネルギー自給率のお話もしましたよね。

比較的自給率の高い魚介類も、漁に出るのにかかるコストが上がれば、値段が上がってしまうでしょう。

ハイパーインフレに備えて、今私たちにできるのは長期保存可能な食材を備蓄しておくことです。

これは、台風や地震、大雪などの災害のときにも非常食として使えるので、備えておいて損はありません。

何を備蓄したら良いか悩んだときには、こちらを参考にしてみてくださいね。

またハイパーインフレの際には、電気やガスなど私たちの暮らしを支えるエネルギーの値段も上がると考えられます。

でもトイレをしないわけにもいきませんし、食材を冷やさず腐らすわけにもいきませんよね。

そこで電気やガス、水道といったライフラインが使えないような状態になった場合に備えてどういった準備をすれば良いのか、こちらにて紹介しています。

食糧の備えと同様に、こちらも災害時に活躍してくれるアイテムばかりですので、ぜひチェックしてみてくださいね!

まとめ

以上、ハイパーインフレへの備えについてお話ししました。

起こらないに越したことはないように思えるハイパーインフレですが、いつやってくるか分かりません。

私たちにできる備えを十分にしておけば、気持ちの面でも安心につながります。

さらに地震など突然の大災害による備えにもなるので、今から準備しておいて損はないでしょう。

一度に全て揃えるのは難しいですが、できそうなことから少しずつ進めていけると良いですね。

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