毎年暖かくなってくると悩まされる人が多い花粉症。花粉症は国民病とも言えるほど、年々増加している傾向にあり、花粉症の患者数は約30年で17倍に増えているというデータがあります。
そんな中、花粉症対策にお酢を作る時に欠かせない「酢酸菌」が効果的だという情報があることを、ご存知でしょうか?実際に酢酸菌が含まれている”黒酢”を飲んで「花粉症が治まった」という書き込みもあります。
思い込みが激しく、薬は飲んだだけで効くようなのですが(効くまでの時間が短すぎ)黒酢を飲むようになって、花粉症が、治まりました!
(酢酸菌が良いらしいhttps://t.co/9ODCoIfSiB)
思い込みバンザイ(^_^)ノ— 吉田アキコ@下の娘は4月から保育園 (@akko2556) March 11, 2020
ここでは、そんな「酢酸菌」について、どんな仕組みで花粉症の症状軽減に繋がっているのか、どんな酢が効果があるのか、そして効果を得られるのに必要な摂取量について、ご紹介していきます。
「酢酸菌」って何?
古くから日本人の食生活に馴染みのあるお酢は、アルコールから「酢酸菌」の働きによって作られます。お酢の他に、ココナッツミルクを発酵させたナタデココや、カスピ海ヨーグルトなどを作るために「酢酸菌」が使われています。
酢酸菌が花粉症に効くメカニズム
花粉症対策のために必要なこととは以下の3つです。
- 花粉を体に入れない
- 体質を改善する
- 薬で症状を抑える
酢酸菌が関わっているのは、このうちの「体質を改善する」です。
では、どんな仕組みで酢酸菌が、花粉症の症状軽減に効き目があると言われているのでしょうか。
花粉症対策には、免疫システムを正しく機能させることが大事
花粉症とは、免疫システムが正常に効かなくなったために起こる、いわば“免疫システムの暴走”です。免疫とは、細菌やウイルスなどの外敵から身体を守っているシステムのこと。
免疫が正常に働いている場合は、花粉が体内に侵入してきても「免疫系」の白血球に食べられてしまうだけで、何も反応は起きません。
ですが、花粉症になると「免疫系」が過剰に反応して、必要以上に自分の身体を守ろうとします。そして、くしゃみや鼻水などのアレルギー反応で花粉を身体の外に出そうとします。
- リンパ球…抗体を産生するBリンパ球のこと。
- IgE抗体…免疫に関わるたん白質。アレルギーを起こす原因物質に対抗するために体の中で作られています。
- 肥満細胞…白血球の仲間。アレルゲンとIgEが肥満細胞にくっ付くと、ヒスタミンなどの化学物質を放出してしまいます。これによって様々なアレルギー症状が起きます。
出典:花粉症はなぜ起こる?
花粉症の症状を和らげるためには、この免疫システムの暴走を止めて、過剰な防御反応が起きないように、免疫バランスを整えることが必要です。
酢酸菌には、免疫バランスを整える働きがある
花粉症の症状を軽くするためには、免疫細胞が暴走しないように、日頃から悪い菌も含めて様々な菌に慣らしておくことも重要です。
実際に都市部の人よりも、いろんな菌がいる山、川のある場所で暮らしている農耕民族には、アレルギー体質の人がとても少ないんだそう。
さらに最近の研究で、免疫細胞にはアレルギーを抑制するスイッチがあることが分かってきました。
それが「TLR2」と「TLR4」という2つのスイッチです。このスイッチが2つとも稼働していないと、免疫細胞の暴走が起きて、花粉症になりやすくなります。
酢酸菌は、この2つのスイッチを稼働させて免疫バランスを整え、花粉症の鼻づまりなど不快症状を抑える働きがあるとの効果が発表されています(※)。
※上條ら, 酢酸菌 (Gluconacetobacter hansenii GK-1) はスギ花粉による鼻の不快感を軽減する-無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-, 2019より
酢酸菌の摂取で花粉症による鼻づまりの不快感が軽減した 花粉飛散時期に、花粉症による目や鼻の不快感を有する健康な男女を対象に実施した試験。73人を2群に分け、一方に酢酸菌を1日30mg、もう一方に偽成分を同様に継続して8週間とってもらった。その結果、摂取4週目に酢酸菌摂取群で、鼻づまりによる不快感の明らかな改善が確認された。(データ:酢酸菌ライフ)
納豆菌や、乳酸菌でも「TLR2」のスイッチしか押すことはできません。片方のスイッチだけ稼働させることができてもアレルギーは抑制出来ないんだとか。
さらに酢酸菌のもつ有用成分「LSP(リポ多糖類)」は免疫細胞を活性化させて、身体の免疫系を強化する働きがあります。
どんな酢でも効果があるの?
酢酸菌を除去していない「にごり酢」がオススメ!
ふつうのお酢は、アルコールと酢酸菌で醸造された後に”にごり”のもととなる酢酸菌を除去しています。なので、酢酸菌はほとんど含まれていません。
酢酸菌が含まれている酢は「にごり酢」と呼ばれるお酢です。にごり酢には主に「黒酢」「香酢」「バルサミコ酢」があります。
- 黒酢…主に玄米を使って、ふつうのお酢よりも長時間かけて発酵、熟成させています。肝機能改善、抗酸化などの健康効果もあります。
- 香酢…中国で紀元前から作られている歴史のあるお酢。もち米を原料としています。その名の通り香り高く、スープや炒め物などに使われます。
- バルサミコ酢…イタリアが原産のワインから作られるお酢です。ポリフェノールの豊富で、名前の由来となっている「balsamic」は”若返り”という意味があります。
どのくらいの量を採れば効果ある?
一日に大さじ1~2杯の「にごり酢」を摂るだけで効果があるようです。それぞれこんな食品と一緒に摂ることがオススメ!
- 黒酢…冷ややっこ、納豆、焼き魚など
- 香酢…餃子、中華スープなど
- バルサミコ酢…ヨーグルト、サラダなど
特に、ヨーグルトに含まれる乳酸菌と酢酸菌は相性がよく、一緒に摂ると、それぞれを単体で摂るよりも、さらに免疫力のアップが期待できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?花粉症の症状の改善に効果があるという「酢酸菌」の情報でした。
春先になるとやってくる花粉症のつらい症状。くしゃみに鼻水、目のかゆみ…。少しでも改善したいですよね。
毎日大さじ1~2杯の「にごり酢」を飲むだけなら、無理なく続けられるんではないでしょうか?
いろんな「にごり酢」を試してみて、自分に合ったものを探してみるのもオススメです。
花粉症のつらい症状に苦しまずに、爽やかに春を迎えることができるといいですね!
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